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「認知症にだけはなりたくない」と言っていたお義母さんが認知症に【まゆみの介護日記】

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今日はお義母さんの話です。

認知症のお姑さん(夫の祖母にあたる人)の介護で、かなり苦労した彼女は、昔から「私は認知症にだけはなりたくないの」と言っていました。

その義母が認知症を発症して8年。
私たち夫婦は、義母たちとは同居していなかったので、義母が発症した時期は正確にはわかりませんが、義母の様子がおかしいと気づいたときに、認知症だ!と思いました。

私の妹が終末期の病院の看護師であることあって、当時から認知症という病気に対して、ある程度の知識があったからで、すぐにピーンときたのです。

ただ、どう対応してよいのか、最初のころはよくわかっていませんでした。
言葉かけ一つも失敗しては学び、の繰り返し。失敗もあれば、うまくいくときもある。

手探りで、トライ&エラーの繰り返しでした。

私たちが義母の異変に気が付いたころは、義父の体調が悪く、検査や結果、治療などで病院へ行くときには義母か私たちが付き添っていました。
義母に任せたこともありました。

そんな中での発症でしたから、義母の中では、相当な混乱があったはずです。
鍵の紛失が続いたときには、義父が病のいら立ちもあって、義母を怒鳴っていました。

私たちは、義父に「義母の数々の失態は、脳の病気である」ということを告げていたのですが、「そんなことがあるはずない」と信じてはもらえませんでした。義父にとってはしっかり者の妻でしたから、ぼけること自体が納得がいかなかったのだと思います。

義母は、義父のいら立ちのはけ口にあい、心労が絶えなかったと思います。
ついに義母は、帯状疱疹を発症してしまいました。

義父の病状が悪くなるにつれ、私たち夫婦が義父への介護を中心に担うようになったので、義母はなんだかほっとしたようでした。義父が亡くなってから、義母の混乱は減りました。
義父の存在が、相当なプレッシャーになっていたのだと思います。

発症した当初は、義母が「自分が認知症になった」ということを知ったら、ショックだろうなあと思ったものです。ですが、義父の看病が生活のメインでしたので、混乱があっても、自分がぼけてしまったという認識は持っていなかったようで、助かりました。

それでも義父が亡くなった少し後から、物の紛失が目立つようになりましたが、「鍵を見つからなくなっちゃった」という連絡が入った時は、
私 「お義母さん、私も鍵、よくなくすんです~」
義母「あら、まゆみさんもそうなのね。呆けるには早いわよ(笑)。でも、本当に、私、呆けたくないのよ~」
私 「ほんとにそうですよね。私も呆けたくないですぅ~」
といった会話をよく繰り返していました。

実際、義母本人が「自分が認知症になったかも」と気が付かないように、あれこれとやってきました。
美術展やデパート巡りなど、いろいろなところに連れだしたりして、社会的な刺激を受けてもらうことで、認知症が進むのをおさえられるといいなぁと、試行錯誤の8年間でした。

そのせいか、義母は、認知症であることに悩むことはなかったと思います。
認知症であることの不安を口にしたこともないので、そう思いたいです。
本当のところはわからないのですけどね。


あれから、8年。今では、立派な認知症です。
さっきまであった鍵がなくなっても探そうとはしません。

「昨日からないの。デイにおいてあるのよ」と、アルツハイマー症特有の作り話が始まります。
作話りは、他人から見たら嘘ですが、本人にとっては、事実なのです。
なので、鍵がないことに悩まないのです。

先日、こちらのブログで「パジャマがどこかにいっちゃった」という話を書きましたが、物が無くなるのは日常茶飯事。
でも、本人は悩みません。頭の中に違う事実があるから。

先日は、夫がマグカップに牛乳を入れて、テーブルに置き、「母さん、牛乳、飲んでね」と言い、ちょっとの間席を立って戻ってきたら、マグカップごと忽然と姿を消していました。

あわてた夫。いろいろなところを探したそうです。
義母の部屋も探しました。テーブルの下にもありません。
こぼれたり、割れたりもしていませんでした。

結局見つかったのは、リビングのカーテンの後ろ側だったそうです。
カーテンの後ろなんて、何気なく置いたという感じではなく、わざわざ隠したとしか思えない場所です(+_+)

お義母さんのこんなおちゃめな行動は、「大切なものだから隠す。けれど、どこに隠したかを忘れてしまう」リスのようだなぁと思って眺めています。


「認知症にだけはなりたくない」と言っていたお義母さん。
認知症が始まった数年は、「歳はとっても呆けたくないわね」と言っていましたが、ある頃から、そういうことを言わなくなりました。

ある一定のラインを超えると、もうそういうことすら不安に思わなくなるのかもしれませんね。


介護をしているといろいろなことが起こります。
デイサービス、ショートステイと介護のプロの手をかりながら、自分たちもできるだけのことをしています。

お義母さんにはできるだけ長く、自宅で暮らしてもらいたいなあと思っています。


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